デジタルの疑問難問解決隊 第21回
格安スマホはどこがいい?乗り換え徹底指南
今回は旧広報紙「さわやか」で、一度取り上げていますが、紙面の関係から深く解説することができなかった内容を詳しく解説いたします。
みなさまは携帯電話の利用料に毎月どのくらいの金額をお支払いですか? 因みに筆者の家庭をご披露すると、筆者1,982円(完全かけ放題+500M)妻1,390円(70分通話+10GB)娘2,970円(5分通話無制限+20GB)3人家族で税込み6,342円という金額です。いかがでしょうか? みなさまのご家庭との金額と比較して高い? 安い? そしてなぜ、3人バラバラの金額なのという疑問も生まれたと思います。※価格は2023年6月時点。
読者のみなさまは当然シニア世代。しかし一口にシニアと言っても、お家でくつろいでいらっしゃる方もいれば、現役時代と変わらずバリバリお仕事をされている方と様々です。そしてスマホの料金も、会社によって様々なプランがあります。
そこで、一社と契約するのではなく、一人一人のライフスタイルにあったスマホプランというものを見つけ出せば、大変リーズナブルな料金体系で契約が出来ます。
ではどうやって決めるのかは、あなた次第です。まずは自分の行動パターンを考えてみましょう。※基本的に自宅にネット回線があり、Wi-Fi環境が整っていることが条件です。
1)ほとんど在宅で、電話はめったにかけない。外出先ではメールやSNSの確認ぐらい。
このスタイルの方なら、日本通信の「合理的シンプル290プラン」がお勧めです。
月額なんと290円!通信は1GB、通話料は30秒11円という驚愕のプランです。
2)ほとんど在宅で、友人との長電話が毎日。外出先ではメールやSNSの確認ぐらい。
このスタイルの方なら、OCNモバイルONE の「500MBコース+完全かけ放題」がお勧めです。1,980円で何回でも何時間電話をしてもこの料金です。
3)日中の外出が多く、動画も少しは見て電話もかけるという方。
このスタイルの方なら、日本通信の「合理的みんなのプラン」がお勧めです。1,390円で通信は10GB、無料通話が70分ついてこの価格です。
4)ほとんど外出ばかりで、動画もゲームも、電話もガンガンというヘビーな方。
このスタイルの方は一番問題のあるパターンで、どの会社でも高額になります。しかしいずれは改善されると期待されているのが、楽天モバイルです。通話は専用のアプリを使用することにより、電話は完全かけ放題となります。また通信は3GBまでなら1,078円、20GBまでなら2,178円、そして20GB以上の場合はデータ無制限で3,278円というこれこそが驚愕価格の極みです。また楽天モバイルの最大の欠点であった繋がらないという問題がついに、6月1日より解消されました。パートナー回線として契約していたKDDI のエリアを首都圏にも拡大し、自社回線のデッドスポットを解消することが可能となり、やっとまともに使えるようになりました。また楽天では総務省に対して電波が安定しているプラチナバンドの申請を行っており、秋には許認可が降りるであろうと言われています。
先程からまったく、docomo、au、SoftBankの名前が登場しませんが、それはなぜかと言いますと、この3社を大手キャリアと呼びます。窓口対応があり、かつ契約から設定までをサポートしてくれる会社です。しかしそのサービスの部分があるがゆえに、毎月の利用料金が高い設定になっています。そして若干ですが、格安SIM会社と比較して通信速度が速いと言われています。しかしそれは、朝の混雑した新宿駅のホームや、お昼休みの丸ノ内のオフィス街で、多少速いというだけの話しであり、この三多摩地域に於いてはさほど大差はありません。お金はかかっても面倒なことは嫌という方は、大手キャリアと契約することをお勧めします。
では格安SIM会社とはどういうものなのでしょうか? 簡単に言うと大手キャリアの回線を安価に卸してもらっているということです。そして店舗がありません。申し込みから開通までを、すべて自分で行う必要があります。また決済にはクレジットカードが必須です。また本人確認書類には、マイナンバーカード、運転免許証、運転経歴証明書のいずれかが必要です。しかしこの点では大手キャリアでも同じで、docomo、au、SoftBankでは健康保険証での本人確認ができなくなりました。運転免許証もマイナンバーカードに統合されますので、今後は本人確認書類の選択肢が狭まることは確実な状況です。
auでは既に3G(第三世代)電波は停止しました。またSoftBankも来年1月31日をもって停波となります。そして最後の砦であるdocomoも2026年3月31日に停波となり、新規での3G回線契約は各社すでに終了しています。みなさまの中にはまだガラケーという方もいらっしゃると思います。スマホは難しいというお考えはもっともだと思います。
しかしこの問題は先延ばしすればするほど大変になってきます。スマホはいまやインフラの中でも重要なアイテムとなっています。そして私たちのライフラインとしての役目を担っています。この機会に一度スマホへの変更を考えてみてはいかがでしょうか?
元富士通のモバイルフォン事業部から独立して設立された、FCNTが5月30日突然、民事再生手続開始の申立を行い受理されました。この会社は「arrows」シリーズなど、年配者愛用の「らくらくフォン」を製造しています。この事業を引き受けてくれるファンドが現れなければ、「らくらくフォン」がなくなる可能性が出てきました。一見すると楽に使える「らくらくフォン」と言われていますが、実はカスタマイズがあまりできず、かえって難しい面もあります。そういう意味からも普通のスマホに今のうちから慣れておくことが必要な時代がやってくるかもしれません。京セラ、バルミューダも携帯事業から撤退を発表し、SHARPはもはや台湾企業となったいま、純国産メーカーはSONY一社となってしまいました。
ガラケー時代は勿論みなさんキャリアのメアドを使っていました。しかしスマホの時代になって、パソコンやタブレットとの連携をはかる中、またネットショッピングや様々なところでのアドレス登録を余儀なくされるこの時代。企業への登録にキャリアメールを指定してしまうと、受信の際には間違いなく迷惑メールとして弾かれてしまいます。ワクチン接種の予約から、航空機、新幹線、コンサート、飲食店、ホテルの予約と、もうメールによる電子チケットから逃げられない時代です。こうした重要なお知らせをしっかりと受け取るためには、Gmailの利用を強くお勧めします。Androidスマホをお使いの方でしたら、必ず契約の時にアカウントを作っております。Androidの場合、Googleアカウント=メールアドレスとなりますから、必ず所有しています。そして自宅のインターネットも然りです。プロバイダー提供のアドレスを使えば、契約を替えた時には当然使えなくなります。またネット、スマホと複数のメールをチェックしなくてはなりません。そうした煩わしさを解消し、さらに紛失、買い換え時にも、アカウントとパスワードさえ、しっかりと記憶していれば、メール、電話帳、写真、アプリなど全てが簡単に復元できます。もうデータを移行させる煩わしさに悩む必要はありません。
相手のメアドが分からず、電話番号しかわからないという場合に便利なSMS。ところが若者から30代は場合によってはメアドどころか、電話番号すら知りません。ではどうやって若者は連絡手段を使っているのでしょうか? それは圧倒的にLINE、KakaoTalk、Twitter、WeChat、WhatsApp、Telegramといったアプリ系を使っています。SMSは本人確認のアクティベーションなどの時ぐらいしか使いません。またSMSは受信が無料であるものの、送信には1通あたり3円が課金されます。そこで大手キャリアではメッセージアプリ系に対抗すべく「+メッセージ」(プラスメッセージ)という3社独自のSMSを開発し、そのユーザー同士であれば送信も無料というサービスを展開しています。しかし2018年5月のリリースより5年が経過するも一向に浸透せず、その存在すら知らない人が多数いるというありさまです。しかも、いくら自分が+メッセージを利用していても、送信相手が利用していない、または規約に同意していない場合は通常のSMSと同じ3円が課金されてしまいます。つまりこれはたとえ、通話定額無制限制、通信パケ放題に加入していても、3円は課金されてしまいます。このたかが3円といえども、理解している人はメッセージアプリ系を利用する訳です。
私たちシニア世代はこうしたデジタルという大海の狭間で漂流する、難破船のようなものです。下の世代の子供や孫たちは大きな高速船に乗って、対岸へとっくに渡ってしまいました。しかし私たちはアナログへ戻るも地獄、デジタルへ進むも地獄の状態です。人生百年時代を迎え、まだまだ頑張らなくてはなりません。そのためにも、逃げずに挑戦しなくてはなりません。そうしませんと、ケアマネさんとの面談もデイサービスの予約も、アプリオンリーという時代がもう少しでやってくるかもしれません。 (広報委員会)