デジタルの疑問難問解決隊 第16回
円安・年金減額時代のデジタル処世術教えます

新年あけましておめでとうございます。今年も身近なデジタルのお悩みを解決していきたいと思っております。このコラムの内容は実際のケースをもとに執筆したものです。  

新春第一弾は年金減額、円安物価高に打ち勝つデジタル処世術を伝授いたします。

 自衛隊の無線機のような電話を持ち、ベンツのトランクから黒いアンテナを立てて疾走していた諸兄はやっぱりNTT DOCOMOですよね? でもちょっと待って下さい。なんとかプレミアパックに毎月7~8千円も払っていませんか? そして繰り越しても使いきれない程のパケットを後生大事に貯め込んでいませんか? 我々シルバー世代は毎月1ギガもあれば十分です。格安SIM会社に乗り換えれば最安値で290円というプランもあります。しかしアドレスが変わるのが嫌という方には有料ですが、継続利用が可能になりました。でもこの機会にキャリアのアドレスを変えて、Gメールなどのフリーメールに乗り換えて、縛りの呪縛から解放されてはいかがですか? 詳しくは拙稿の第9回「キャリア VS フリー 今どきのメアド事情」をご参照ください。

 MNPとはMobile Number Portabilityの頭文字を取った携帯電話番号移植の略です。つまり今お使いの電話番号を変えずにお好きな会社に移動ができるというサービスです。しかしこれには少し条件があります。電話機本体を割賦購入していた場合はその残額を清算しなくてはならない会社もあります。一部では分割のみ継続が可能な会社もあります。

 そして第2の関門が契約時に決めたネットワーク暗証番号です。これがわかっていれば、ネットから申し込みが可能です。しかしこの番号が不明な場合は来店もしくは、電話による応対となりますので、とんでもない長時間にわたる引き止め作戦が展開されます。

 またどの会社とは書けませんが、MNPを検索しても他社から乗り換える方法は簡単に表示されますが、他社に乗り換える手続きのページには、なかなかたどり着かない悪辣なホームページがあります。しかしこの難関を見事に突破できれば、仮に毎月6千円の利用料が500円にまで下がったとするならば、年間6万6千円の節約になります。

 ちなみに来店するしか方法のない方は、各ショップに来店して、店員と悪戦苦闘を繰り広げることができた場合は各社では以下のような格安ブランドを出してきます。

NTT Docomo → ahamo → OCNモバイルONE → LIBMO(リブモ)

au → povo → UQmobile

SoftBank → Y!mobile → LINEMO

 右側のブランドほど格安ですが、なかなか提示をしてくれません。頑張ってゴネてみると最後は格安ブランドを提示してくれます。

 余談ながら町中にある各ショップは通信各社の直営店と思っていらっしゃる方が多いと思いますが、実は全て代理店なのです。ですから顧客の流失はロイヤリティーの減額へと繋がるため必死にくい止めてきますので、断固拒否をして乗り換えましょう。

 ネットもテレビも電話も電気もガスも全て同じ会社にまとめるとお安くなると思って、まとめていませんか?これ、大きな間違いです。

 電気とガスをまとめるのは確かにお得な場合があります。しかし最悪なのがネットとテレビと電話をまとめることです。そもそも民放の地デジとBSは無料で観られます。ところがある通信会社では「台風の時にアンテナが倒れると危険ですよ」と上手いことを言ってアンテナを撤去してしまいます。これは個人財産の収奪になります。つまりアンテナを撤去してしまえば、テレビを観る選択肢がケーブルやネット経由しかありません。そこが狙いなのです。しかも各部屋で観るためには専用のチューナーを設置し、毎月レンタル料が発生します。確かに多チャンネルを観ることが出来ますが、そもそも現在のテレビやレコーダーには個別契約することで有料のBS、CSチャンネルを受信できるようになっています。また最新のBS4K8Kはアンテナからの直接受信とケーブルからの伝送ではビットレートが違い、直接受信以外は本当の画質とは言えません。この部分を見直すだけでも年間で5万円ぐらいのコストカットが出来ます。

 菅前総理のお蔭で携帯料金が大幅にダウンしました。次はネットの利用料に総務省がメスを入れます。しかしその時に格安な会社が出現しても、縛られていることによって、簡単に乗り換える事ができなくなります。とくにネット経由でテレビを観ている方は「契約を変えると明日からテレビが映らなくなりますよ」と言われてしまい初めて囲い込みの恐ろしさに気がつきます。このほかにも家の固定電話の番号が変わってしまう。アンテナをまた設置しなくてはならない、メアドが変わってしまうといった問題が潜んでいます。

 総務省のロードマップには地デジの4K化、6G高速ネットワークが予定されています。同軸ケーブルでの伝送では既に許容量をオーバーする程のデータが送られようとしています。うっかりすべてをまとめてしまって、後で後悔をしないようにご注意ください。              (広報委員会)