デジタルの疑問難問解決隊 第18回
SDカードの種類と選び方
春到来の季節となりました。行楽に、ご家族の卒業式、入学式とカメラ、ビデオの出動も増える時期です。そんな大切なイベントを残すために必要なのがメモリーカードです。ところが量販店でズラリと並んだ大量のカードを前に「一体どれを買えばいい?」とお悩みの皆さまの疑問にお答えします。
※本コラムでは現在主流のSDカードのみの解説となっております。
皆さまはカードを購入する時の基準は何ですか? 値段? 容量? メーカー? どれも悩むところですが、正解は撮影の目的に適した仕様のものを購入することです。最近のミラーレス一眼カメラでは8K動画や、ハイスピード撮影、電子シャッターにおける連続20コマ以上というハイスペックカメラもあります。ごく普通の撮影でしたら気にする必要はありませんが、特殊な撮影をしてみたいという場合はカードの性能を理解した上で、撮影に臨まないと、撮れていない、途中で止まってしまったなどということが起きてしまいます。
そこで改めてカードの表面に記されている記号や文言の意味を簡単に解説していきます。
(1)【カード容量】
これは言うまでもなくSDカードの容量です。お使いのカメラが最大でどの容量 のカードを認識するのかということと、撮影するフォーマットを考えて決めることが必要で、カメラのマニュアルにどの設定で何枚撮影、もしくは何分収録出来ると記載があります。
(2) 【SDカード規格】
SDカードはSDSC→SDHCとバージョンを重ね、現在はSDXCが主流で最大2TBという大容量のものもあります。そしてSDUC という規格も既に発表されており、最大128TBという、とんでもない大きさだそうですが、それはまだこれからのお話です。そして規格の横にある数字はバスインターフェーススピードを表したもので、Ⅰは最高104MB/秒、Ⅱは312MB/秒、Ⅲは624MB/秒となります。
(3) 【読み込み速度】1秒間に読み込める速度を表しています。
(4) 【書き込み速度】
1秒間に書き込める速度を表しています。このスピードが一番大事で遅いものを購入すると、連写や動画で失敗することが起きてしまいます。
(5)【スピードクラス】
データを書き込み時の最低保証速度を表していますので、当然数字の大きいものを選んだ方が安心です。
(6) 【UHSスピードクラス】
こちらはUHSバスインターフェイスに対応した製品向けのスピードを表したもので、所有するカメラがUHSバスインターフェイスに対応して、初めて威力を発揮します。
(7) 【ビデオスピードクラス】
この数字は主に4K8Kの動画撮影時に気にしなくてはならない数字です。V6、V10、V30、V60、V90の5種類があり、それぞれの数字は毎秒ごとの最低保証速度を表しています。よって4K収録の場合はV90を選ばないと途中でカメラが止まってしまうことがあります。
ここ数年でのカメラの進歩は、素人にはもはやオーバースペック状態のカメラばかりとなってしまいました。確かにいいカメラを買ったのだから高画質で記録したい気持ちはわかります。しかしあなたがプロのカメラマンで駅や街頭に貼る巨大ポスターの撮影依頼がない限り、最高画質の数値で撮影をする必要はありません。普通の撮影の場合、1カット1MBぐらいもあれば十分です。となると安価で種類が豊富なSDHC 64GBで書き込みスピードが速いものを選べば十分です。しかし、鉄道やスポーツ、鳥などの一瞬を逃したくない場合は連写をしますので、その場合はSDXC 128GB 書き込みスピードは170MB/S以上、クラス3あたりが最適です。
現在ではハイビジョンは当たり前の時代となりました。しかしビデオの場合は写真と違いさらに厳しい条件が必要となります。
まだビデオテープが主流だった1990年代、ノンリニア編集ではMotion JPEGと呼んでいました。つまり動画とは平たく言うと動くJPEGです。1秒の動画は29コマの写真の積み重ねで構成されています。そして現在4K解像度は3840×2160ピクセルという巨大な画像で構成されています。カメラはそれを高速に圧縮して、SDカードに記録しています。簡単に言うとカメラが高性能であっても、記録するカードがカメラからの転送スピードに合わせて受け取る(記録)ことが出来なければ、途中で止まってしまいます。よってビデオカメラの場合はSDXC/クラス3/V90をチェックしてなるべく容量の大きいものを選ぶ必要があります。
Androidスマートフォンの最大の利点はズバリ、SDカードを挿入できることです。しかしほとんどの方が写真データをクラウドに保存をされており、バンバン撮影すると一杯になってしまい、課金コースに変更しなくてはなりません。そこでデータの保存先の変更を行います。まずスマホのカメラアイコンを起動させ、設定→保存先→SDカードに変更することによって、大容量の写真や動画の保存先を確保できます。ただし、購入する際は小さい形状のmicroSDカードとなります。そして注意をしなくてはならないのが、スロットを本体から出した時にうっかりSIMカードが抜けてしまい(簡単に抜けてしまいます)トレイを間違えてしまう方がいらっしゃいます。形状が違うので直ぐに気がつきますが、別スロットになっている機種はうっかりSIMをmicroSDカードのスロットに入れてしまい、電話が不通になってしまいますのでご注意ください。
また大容量が良いと思い、最大のものを購入しても、自分のスマホが認識できる最大値というのが、各機種によって違います。必ず確認をした上で購入しましょう。また最近は4K動画を撮影できる機種もありますので、その場合は前項で説明しました内容を参考にして、動画に適した書き込みスピードの速いものを購入することをお勧めします。 (広報委員会)