連載企画 「プロジェクトX」な人たち 『素晴らしい無名の星』
— 筆耕 就業現役最年長 – 

 今回は筆耕業務を平成9年から今日まで続けている小泉富久雄さんに、ご自宅で話を伺いました。小泉さんは当SCの就業会員中最高齢の92歳で、SCの監事も務められました。

小泉富久雄さん

Q:シルバーで筆耕の仕事をなさろうと思われたきっかけはなんですか。
A:もともと字をやってきたので。幼稚園から3年くらい寺で書道を習い、高校では書道部を設立しました。社会人になってからは仕事絡みで書く機会に恵まれました。退職後に筆耕専門の二翠堂で3カ月くらい筆耕の仕事を経験したのち、字を書く仕事があればと思いシルバーに入会しました。

Q:仕事の内容は。
A:頂いている仕事の9割が日野自動車からです。年間100枚以上の「退職辞令書・感謝状」書きの依頼がありました。感謝状は各自宛ての文章が同一ではなく、社長の署名以外を全て手書きで書くため1枚書くのに2時間くらいかかり、一日で最高4枚くらいしか書けません。現在は半分くらいに減りました。当SCの感謝状も書いています。

Q:筆耕の仕事で心がけていらっしゃることはなんですか。
A:原稿の字の間違いなど疑問に思ったことは事務局を通して確認します。この仕事は一字間違えてもおしまいなので。

Q:大変だったことはなんですか。
A:字は絶対に崩せないのでガチガチの楷書で書きます。筆耕は字だけ書ければできるという仕事ではなく、間取り、レイアウトを考えながら書きます。テクニックが必要なので、二翠堂でプロの方と仕事をした経験が勉強になりました。

Q:小泉さんにとって筆耕の仕事はどういう意味をもっていますか。
A:私の一番の生きがいです。

本日はありがとうございました。

(広報委員会)