今さら聞けない素朴な疑問 第3回

■ なんで請負就業前研修に配分金がでないの?

 初めての仕事に就こうとすると多くの場合、その仕事を覚えるための「研修」があります。派遣では研修中でも賃金が出るのに、請負では何時間研修を受けても配分金や手当は全く出ません。出してほしい、出ないのはおかしいという声をいただきます。
 派遣業務の場合は、派遣会社としての当SCと会員とが雇用契約を結び、就業時間(労働時間)中であれば仕事を教わっていても一人前に仕事をしていても賃金が出ます。社員やパートと同じです。
 一方、請負や委任で就業する場合は、仕様書(何をするのか、どのように仕事をするのか書いたもの)などに沿って、その内容を完成させるとか遂行するということになります。1回限りの仕事は当然のこと、受付のような継続して行う仕事でも、仕事に就いたその時から“できる”ことが条件となります。この内容をやったら、できたら配分金を支払うという契約です。当SCでは、それほど高度な、困難な仕事は引き受けません。事前に少し教えてもらえればできるといった仕事がほとんどです。その「事前に少し教えてもらえれば」という期間は、本来その人が自分で努力して身につける期間です。
 研修や仕事の引継に時間がかかるという声も聞きます。仕事の内容、教える会員の教え方、教わる会員の理解力によって、その時間はまちまちになると思います。時間を短縮するための改善・努力は、現場の会員も当SCも常にしていかなければならないと思います。
 話は変わりますが、植木班、除草班で就業する会員は、原則として作業服、道具類とも自分で用意しています。リビングサポート班の会員は自分の車で就業先に行きます。会社組織であれば会社が必要なものを従業員に用意するのでしょうが、当SCは会社ではありませんし、会員は従業員ではありません。就業に必要な知識・技量は自分で身に着ける、必要な道具は自分で用意する、その上で当SCは何ができるかということではないでしょうか。 研修中でも配分金、手当を出してほしい、出ないのはおかしいという会員は、従業員とか社員の意識を持たれているのでないでしょうか。会員は当SCに雇われて就業しているわけではありません。発注者から仕事を請け負う“個人事業主の立場”で考えていただけたら、ご理解いただけるのではないでしょうか。

(事務局)